【楽曲解説】月の爆撃機

ちょっと前のことですが、ラジオを聴いていたら女性のカバーで月の爆撃機が流れました。

どわー、ひさしぶりに聞くなぁーと心の中で一緒に歌っていたらちょっと泣きそうになりました笑

そんなわけで、今回は月の爆撃機について書きます。

※調べたら歌っているのは中山うりさんでした。

 

月の爆撃機とは

  • 作詞・作曲:甲本ヒロト
  • 1993年2月10日にリリースされた、THE BLUE HEARTSの6枚目のアルバム『STICK OUT』に収録されている曲
  • 2013年にマキシマムザホルモンがアルバム『予襲復讐』の中でカヴァーしている
  • 2015年1月期の独立局系深夜アニメ『ローリング☆ガールズ』のエンディングテーマとしてTHE ROLLING GIRLS(小澤亜李、日高里菜、種田梨沙、花守ゆみり)がカヴァーしている
  • ワーナー在籍時の曲のシングル未収録の曲ではファンの間では一番人気がある

 

https://www.youtube.com/watch?v=NQDV1UP4sZY

 

歌詞を完全に覚えていたことにびっくり

多分聞くのは15年以上ぶりでしたが、驚くことに歌詞を完全に覚えていました。

歌詞カードも見たことあるかないかなのに。

これね、私がすごいのではなくてヒロトがすごいんですよ。

曲を聴き終わったあとに自然と「やっぱりヒロトはいい歌詞かくな~」と思ったのもびっくりでした。

というのは、ブルーハーツの場合「ヒロト?マーシー?」という楽しみがあるんですよ。

なんですが、確認するでも覚えているでもなく「ヒロトだ!!」と思ったんですね。

そんなこんなも含めてヒロトはすごいです笑

歌詞

ここから一歩も通さない 理屈も法律も通さない
誰の声も届かない 友達も恋人も入れない

手掛かりになるのは薄い月明かり

あれは伝説の爆撃機 この街もそろそろ危ないぜ
どんな風に逃げようか すべては幻と笑おうか

手掛かりになるのは薄い月明かり

僕は今コックピットの中にいて 白い月の真ん中の黒い影

錆びついたコックピットの中にいる 白い月の真ん中の黒い影

いつでもまっすぐ歩けるか 湖にドボンかもしれないぜ
誰かに相談してみても 僕らの行く道は変わらない

手掛かりになるのは薄い月明かり

 

・・・こうしてみるとなかなか面白い曲構成になっていますね。今頃気づきました!

 

歌詞の解釈

多分ヒロトは歌詞の通りのことを書いていると思います。

この頃はPKO法案が通過したりで同じstick outの中でもすてごまなど社会的な歌があります。

リリース前の1992年11月〜1993年1月にかけて行われたツアー名が「PKO TOUR (Punch Knock Out Tour) 92-93」ですし笑

で、すてごまはダブルミーニングを意識して曲がかかれていますが、月の爆撃機は違うと思うんです。

が!!

どうしてもそう聴こえる魅力があります。

 

僕は今コックピットの中にいて

ネットで調べると「どうしょうもない状況になると聞きたくなる」人もいるようですが、とてもわかります。

落ち込みまくって部屋で1人になったときに聴いたら号泣する歌詞ですよ。

いじめられて引き籠っている子達は聴くべき曲ですよ!

 

私は「僕は今コックピットの中にいて」の「ぼくはーーーいーーーまーーー、こーくぴーーーーっとの、なーーーかーにーー、いーーてーー」のロングトーンにやられました。

ヒロトの描く曲のロングトーンてなんとも儚げでいいんですよね。

以前に夕暮れについても書きましたが、こちらは「ちーーーー」がたまらないです笑

 

で、

 

この「コックピット」を「自分の部屋」と置き換えるとグッときてしまいます。

ついでにいえば「何もかもが嫌になって」家にいると想定してください。

その上で歌詞をもう一度見てみましょう。

 

  • ここから一歩も通さない 理屈も法律も通さない
  • 誰の声も届かない
  • 友達も恋人も入れない
  • どんな風に逃げようか
  • すべては幻と笑おうか
  • 手掛かりになるのは薄い月明かり
  • 僕は今コックピットの中にいて白い月の真ん中の黒い影
  • 錆びついたコックピットの中にいる 白い月の真ん中の黒い影
  • いつでもまっすぐ歩けるか
  • 湖にドボンかもしれないぜ
  • 誰かに相談してみても僕らの行く道は変わらない

 

明るい月(世間、社会)の中で黒い存在の自分。でもその明るい月が未来の自分の手がかりでもある。そして「僕ら」であって、同じような苦しさを感じている人はいる。

 

・・・なんという深読み笑

 

間違いなくこんなことまでヒロトは考えて歌詞を描いていないと思います。

しかし、そういう風に聴かせる凄味がヒロト(ブルーハーツ)の魅力でもあります。

やっぱりいいなぁ。ブルーハーツ。

ひさしぶり聴き返そうかな。

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