ミスチル「miss you」はノンアルコールワインのようなアルバムだった!
めちゃくちゃ久しぶりにblog更新します。
ミスチルの新作「miss you」については書き残したいのです。
感想を3行でまとめると・・・
- 桜井さんの宅録アルバム?ライブバージョンのリリースまで視野に入れてる?
- ミスチルらしさを捨てたかった?
- 永遠がトラウマになった?
ですね。
今回は特にアレンジが気になって仕方ないのでそこに特化して書いていきます。
桜井さんの宅録アルバム?ライブバージョンのリリースまで視野に入れてる?
多くの方が感じるようにミスチルのバンドサウンドを存分には楽しめないアルバムになっています。ミスチルのバンドアンサンブルが好きな僕には残念でしかないです。
桜井さん1人がアコギを持っているジャケはこのアルバムを象徴してます。
アコギがとにかくこれでもか!というほどに登場します。
これがですね、、、
なんというか、アコギのアレンジがイージー過ぎるのがどうしても気になります。
party is overはアコギのアルペジオ+ストロークで出来ていたり、LOSTもアコギ2本がストロークで入っていたり。。。
あえて、デモテープっぽい雰囲気にしたかったのはわかります。
でもそれであるなら短く仕上げないと!So Let’s Get Truthとかのノリでいかないと。
simpleとか花言葉では、素敵なアコギアレンジしていたじゃん!
今回、手を抜いてない?とギタリスト視点では思わざるを得ません。
でね、
party is overと青いリンゴだけはどうしても悔しい気持ちになります。
なぜか?
アレンジちゃんとやればもっともっと名曲になったはずなんです。
それが手に取るようにわかるのです。ミスチル好きとしては惜しくて仕方ないのです。
青いリンゴなんて、エソラみたいにイントロ流れただけでみんな笑顔にする力を秘めた曲なのになぁ。。
小林さんならどう料理するだろう、僕ならどうやるか、なんて想像をするのは楽しいけれど寂しくもある。。
青いリンゴ、イントロがアコギのソロだからね。。
「全曲、歪んだエレキギター禁止」という裏テーマがあってのか?と思ってしまう。
少なくともこの2曲は外部プロデューサー(アレンジャー)がいたら、このアレンジでGOすることは考えられないです。
料理で言うなら、超高級寿司に100均の醤油をドバドバかけて食べるようなもの。「もったいねーわ!アホか!」となります。
挙げれば他にもいろいろとあります。LOSTのうしろのコーラス隊に、え??なんで?とかね。
まぁ、とにかくアレンジ(音の重ね方、楽器の使い方)の至らなさで楽曲そのものの魅力を最大限まで活かせてないのが惜しくて仕方ない。。
そして、ミスチルの奇跡のようなバンドアンサンブルが聴こえない。。
しかし!!1つだけなぜそうしたかを説明できる方法があります。
それは!
ライブバージョンを完成版として聴かせることです。
当然ライブアルバムもリリースです。
miss you は半ばデモテープで、ライブでバンドサウンドにして完成というわけです。
これまで誰もやっていない斬新な取り組みです!
もしそうなら、青いリンゴなんてyouthful daysやエソラに負けないキラキラソングに変貌、party is overは ストリングス、ブラス、皇帝の職人技のオブリが入って、ミスチル感動のバラードに変貌、ということもあり得ます。
ミスチルらしさを捨てたかった?
前述の僕の希望は簡単に言えば「今まで通りのミスチルをやってよ」ということになります。
しかし、アーティストたるもの、それに応えてばかりいてはつまらない。なので新しいことを!という気持ちを持つのも良いことだと思います。
ただ、今回はアレンジだけでいえば「ミスチルがミスチルを否定している」ようにさえ聴こえます。
重力と呼吸は今回同様セルフプロデュースでしたが、印象としては「小林武史ではなく4人で考えてアレンジした」という音になっていました。
今回は「アレンジ自体を放棄した」という音に聴こえました。青いリンゴはどう聴いても音がスカスカですし。。
めちゃくちゃよく言えば「歌がよく聴こえるアレンジ」です。当然桜井さんはそれに相応しいボーカリストですし、ボーカリストに特化して言えば一番魅力的なことをやっているとも言えなくはないですが。。
ミスチルはバンドじゃん。。他の3人もいるじゃん。。
永遠がトラウマになった?
なんでここまで宅録っぽくなったのかを予想すると、コロナとかもありましたが、多分「永遠」がそうさせたんじゃないかと思います。
リリースの瞬間から「しるしにそっくり」「過去の焼き直し」などなどネットで酷い叩かれようでした。
僕も最初聴いた時にショックでした。過去の作品に似るのはよく言えば「ミスチルというジャンル」だから良い部分もたくさんあるんです。ファンはそれを望んでいるところがかなりあります。
しかし、永遠はあまりにもやり過ぎてしまった。
サビのメロディーは「これじゃしるしだ、変えなきゃ」と作曲中に思わないといけないレベルです。マニアックなアルバム曲に似るならまだともかく、代表曲に似せるのは完全アウト。
ミスチルにはもう楽曲に厳しく意見する第3者がいないんだと思ったくらいです。
永遠は結果的に批判的な声ばかりになりました。
桜井さんは小林さんのデモを聴いて泣いたくらいだったのに。
「もうミスチルらしいものをやめる」
そう決意したのかもしれません。
で、違うパターンのアレンジのアイデアが出てこなくて音が重ねられずデモテープのまま、スカスカになっちゃった、でもこれはこれで今までになくていいよね、という着地になった気がしてなりません。。
次回作に期待すること
とにかく外部プロデューサーをつけてほしいですね。
小林さんが嫌ならいっそのこと、ayase、Vaundy、常田大希といった若手に依頼してみたらどうだろう?想像するとかなりワクワクしますよ笑
1曲ずつ違うプロデューサーにしても面白いです。
例えばこんなのどうでしょう?
m-1 introduction (produced by Mr.Children)
m-2 言わせてみてぇもんだ 的ロックナンバー(produced by Mr.Children)
m-3 Dance Dance Dance 的ロックナンバー(produced by 亀田誠治)
m-4 Melody 的キラキラポップ(produced by 蔦谷好位置)
m-5 Heavenly kiss 的低音ミディアムナンバー(produced by Vaundy)
m-6 やわらかい風 的優しいナンバー(produced by Yaffle)
m-7 ジェラシー 的実験的で壮大な曲(produced by 川谷絵音)
m-8 思春期の夏 的ボーカルJenの曲(produced by sunny)
m-8 渇いたkiss 的やさしいホーンのバラード(produced by 村田陽一)
m-9 ロードムービー 的アコギをジャカジャカ弾きたくなるナンバー(produced by 寺岡呼人)
m-10 Marshmallow day 的高速ナンバー(produced by ayase)
m-11 memories 的室内管弦楽(produced by 岩崎大整)
こんなだったら最高!
最後に
前々作、前作と飲み物で例えて感想を書いていましたので、今回もそれに習って飲み物で今作を表すと
「ミスチルmiss you はノンアルコールワインのようなアルバムだった!」
ですね。
■参照リンク
ここで言うアルコールは「ミスチルらしさ」です。
ミスチルがミスチルらしさをとったわけです。
しかしですね、ノンアルコールワインを美味しく飲める人は「アルコール入りワインがそもそも好きな人」だけです。
つまりミスチルファンだけが好きになるアルバムだと思います。
ミスチルを知らない人が聴いて好きになることは確率的にかなり低いでしょう。
・・・辛辣なことを書き続けましたが、じゃあ、嫌いなアルバムかと言ったらそんなことはないです。
桜井和寿の宅録アルバムとして楽しく聴いています。
アレンジはともかく、歌詞とメロディーは好きなものが多いです。(だからもったいなくもあるけど)
「ノンアルコールワインもたまにはいいもんだ」という感じで、時々飲みたく(聴きたく)なるアルバムでした。
次回作も楽しみです!