ゲスの極み乙女。の川谷氏の才能とバンドの魅力に感動!
関ジャムでゲスの極み乙女の即興曲作りが話題になりました。
私も見ましたが、素晴らしかったです!
これからのバンドのプロモーションとして、曲作りの様子をYouTubeなどで見せて、それからリリース!ということもありになるのでは?と思うくらいエンターテイメントして成立したものでした。
ほんとにいつかそんな音楽番組ができるんじゃないかな?
ゲスの極み乙女。を初めて聴きました。
私はゲスの極み乙女。はバンド名は知っていましたが、曲を1曲も知りませんでした。
- 甘利明さんがマイナンバー制度の会見で「私以外私じゃないの~」と歌った
- 川谷さんとベッキーのくだり(?)
ぐらいしか知りませんでしたが、俄然、曲が聴きたくなりました。
元バンドマン目線で感想を5つに分けて書いていきます。
- 川谷さんの才能
- 独裁?メンバーは楽しいのか?
- ドラムの存在感が抜群
- 実は多くのバンドは同じことができる
- 余談としてベッキー
1.川谷さんの才能
ソングライターとして素晴らしいです。
具体的にどう素晴らしいかを作詞、作曲、編曲に分けて書いていきます。
作詞
お題に対して8分でワンコーラス作っていました。
そのスピードよりも内容に圧倒されました。
(Aメロ)
回り込んだ気持ちを吐き出せないで
夜をまたぐ私は
1人で感情を止めて箸だけを動かす(Bメロ)
センター街の刻む明かりを眺めながら心を刻む
意味のないふりをした
箸が置かれて私は走り出す(サビ)
透明にならなくちゃ
溶け込むほどの勇気もないから
透明にならなくちゃ
24時の街に呟いた
やっぱり最大にすごいのは「透明にならなくちゃ 溶け込むほどの勇気もないから」ですね。
これ、8分で作ってなくても十分にすごいフレーズです。
それがバシッとサビ頭にくるわけです。
天才ですね。
作曲
歌詞が先なので字余り感が逆にいい効果を生んでいます。
- Aメロ メロディーを崩しながら歌う
- Bメロ ほぼ台詞
- Cメロ 王道ポップス
各セクションごとに彩りがあって良いです。
複雑なコードを見事に使いこなしていることもさすがでしたが、何よりさすがだったのは、即興のメロディーがコードに引っ張られ過ぎていないこと。
桜井さんと同じようにドミソの上でファとかラとかを才能で歌える人ですね。
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ミスチル桜井さんの作曲のすごさを「innocent world」を例に3つに分けて解説
コードに引っ張られている曲はこういう曲です。
説明するまでもなく、コードに引っ張られていること=ダメ、ということではないです。
それでも名曲はたくさんあります。
しかし、コードの構成音以外の音も自由に使えるとメロディーに広がりがでます。
編曲
各メンバーに的確に指示を出していますね。
音楽をよく知っている人だと感じました。
2.独裁?メンバーは楽しいのか?
ネットの感想などを見ると、川谷さんが他のメンバーに指示を出す様子を見て「独裁」と感じた方も多いようです。
でも、作曲者がイメージを伝えるのは普通のことで、むしろあれくらいの指定がないとどうしていいやらわかりません。
指定についても結構曖昧で、メンバーの裁量の部分が多いので、あれくらいでは独裁とは言い難いですね。
「メンバーは楽しいのか?」というのもちょっと微妙です。
例えばサンドウィッチマンは漫才の台本を富澤さんが書いてます。
「富澤のかいた通りの漫才をして伊達は楽しいのか?」と思う人はほとんどいないでしょう。
伊達さんは冨澤さんの書いた台本をいかに磨きをかけるか(より面白くするか)を楽しんでいるわけです。
もちろん、書き手の才能を認めていないと成り立たないことです。
これとバンドの楽曲制作は似ています。
ついでに言えば、「川谷さんの言いなり」ではなく、「いい音楽の言いなり」になっているんですね。
バンドで一番偉いのはバンドリーダーでも作曲者でもなく、音楽です。
音楽の奴隷になってメンバーは演奏しないといけません。
それに忠実に演奏しているように感じました。
ただ、そうはいっても良くも悪くも自己主張は誰にでもあり「もっとソロを弾かせろよ」「おれに指図すんなよ」「おれにも曲を描かせろよ」となりがちです。
それが全く感じられないゲス極メンバーは(ガス抜きとなる)外部活動をしているんだろうと思ったらやはりそうでした。
なんでもそうですが、1つに莫大なエネルギーをぶつけるとうまくいかないものです。
メンバーは、自分のやりたいこと、表現したいことのすべてを1つのバンドに注いでいないことがとても良いバランスになっています。
まぁ、ボーカルまでもが掛け持ちで、その両バンドともメジャーデビューというのはあまりにすごくて驚くばかりですが!
3.ほないこかさんのドラムの存在感が抜群
川谷さんの才能以外にすごく目を引いたのがほなさんのドラム。
ものすごく存在感があります。
良くも悪くもすべての音量が均一に大きく、MIDIですべてのボリューム(ベロシティ)を100にした感じですね。
はっきりいってうまくはないんですけど、私はすごく好きですね。
猛烈に個性と存在感があります。
そして叩き方がかっこ良くてバンド向きのドラマーです!
どのパートでも言えることですが、楽器を弾いている姿がかっこいい人、悪い人がいます。
まぁ、大体の人はかっこ良くなりますが、ほなさんはその中でも特にかっこ良くなる方ですね。
髪の振り乱れ具合も素敵です。
細かい話ですがサビを繰り返すときに(テレビで見る範囲では打ち合わせなしで)全員がキメを合わせているところに感心しました。
ほんとにいいバンドです。
4.実は多くのバンドは同じことができる
川谷さんの才能と他のメンバーのバランスの良さで、すごい早さで、すごいクオリティの楽曲を作ってましたが、実はプロのバンドなら近いことはすぐにできます。
普通の人が、普通に聴いて、音楽と認識できるレベルのものを作ることは、プロの料理人が冷蔵庫の残り物で「おいしい」と言わせるものを作ることと似ています。
それ自体は簡単です。
しかし「明日からうちのメニューに入れよう」となるかは別ですよね。
昔、GOING UNDER GROUNDの方がラジオで言っていたのが「これくらい長くバンドやっていると毎日新曲作ることもそんなに難しくない。でもだからこそ楽曲制作が大変」ということでした。
これは音楽や料理に限らず、クリエイティブなものすべてに言えることではないでしょうか。
5.余談としてベッキー
一連の騒動が起きる少し前の時期に、運転中にたまたまラジオでベッキーがMCの番組が流れました。
ゲスの極み乙女の曲紹介をしていたのですが、その熱量がものすごかったのを覚えています。
- ほんとに超好き
- こればかり聴いている
- ボーカルの川谷さんはほんとに天才
などなど、最上級の賛辞がありえないくらい心のこもった口調でどんどん湧き出ていました。
それを聞いた私は、
- 「いつもこの熱量で曲紹介をしているのか?すげえなベッキー」
- 「ほんとに恋する女の子みたいだ」
- 「ここまで持ち上げたら付き合ってるとか言われちゃうよ」
- 「他の曲の紹介を聞いてみたいなぁ」
と思いながら車を降りたのを覚えていて、その後のあの報道を見て、すごく納得しました。
多分、本当にめちゃくちゃ好きだったんだと思います。
でも確かにベッキーも惚れる才能の持ち主ですね。
最後に
私もこれからゲスの極み乙女を聴きたいと思いました!
この曲もリリースしてほしいものです。