「仕事=我慢」は悲しいけれど「仕事がやりたくてもできない」よりはマシ

随分前ですが、美輪明宏さんが「お給料は我慢料」と言っていて、友達が「良いこと言うわ~」と感心し、私は「好きなことをやっている(と思われる)」美輪さんでもそんな風に思うんだと驚きました。
それに対し、「ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく」の中でホリエモンはこのように発言しています。
あなたは今、働くことを「何かを我慢すること」だと思っていないだろうか?
そして給料のことを「我慢と引き替えに受け取る取る対価」だと思っていないだろうか?
もしそうだとしたら人生はねずみ色だ。我慢に我慢を重ね、耐え忍んだ対価としてお金を受け取っているのだから。仕事を嫌いになり、お金を色めがねで見てしまうのも当然だろう。
人生の中で、仕事はもっとも多くの時間を投じるものの一つだ。そこを我慢の時間にしてしまうのは、どう考えても間違っている。
恐らくは多くの方が、美輪さんの言うこともホリエモンの言うことも、納得するでしょう。
私ももちろんどちらの意見も納得できます。
ただ、改めて感じたのは「仕事」という言葉のイメージの悪さです。
仕事と聞くとそれだけで我慢が連想されてネガティブな印象ですよね。
でも、私は多分、仕事という言葉をポジティブにとらえています。
理由は2つ。
- 音楽を仕事にしたかった
- 仕事に飢えていた時期(求職中)があった
それぞれ説明します。
音楽を仕事にしたかった
平たく言えばミュージシャンになりたかったわけです。
音楽は趣味でも十分に楽しいですし、それこそ億万長者になったら、なにも考えずにギター弾いたり歌ったり曲を作ったりしたいという人もいるでしょう。
でも、私は仕事にしたかったんですね。
それこそ、締め切りに追われて寝不足という「我慢のある生活」に憧れていたわけです。
アマチュアミュージシャンはそんな我慢はありません。
「早くライブをやれよ」「早く新曲をかけよ」とまわりに急かされることもありません。
そう考えると、仕事は我慢と言ってもそこまでネガティブなものではなくなるのではないでしょうか。
仕事に飢えていた時期(求職中)があった。
かなりのそもそも論ですが、仕事があるって素敵なことです。
仕事をしたくてもできる環境になかったり、仕事に就きたくても就けないよりは幸せなことです。
「仕事で、明日早くてさ~」なんていうのも、求職中の方からすれば、我慢の話というより自慢の話に聞こえます。
仕事はしているときは辞めたくなり、辞めているときはやりたくなるものです。
仕事=我慢としても、仕事があるのは素敵なことです。
生活の中でも仕事はたくさんあります。
- 子育てが私の仕事だ
- ゴミ捨ては僕の仕事だ
などは仕事という言葉を使用していても、ネガティブさは感じません。
ネガティブさを感じる仕事はなんでしょう?
- (野球部)玉拾いが僕の仕事だ
- (貧困国)日給10円のために1日中、畑を耕すのが私の仕事だ。
・・・意外となかなか出てこないです。
- (ヤンキー学校教師)誰一人聞いてないのに授業をする
というのも思い付きましたが、先生はそれなりのお給料をもらえますし、そこまでネガティブではないですね。
結局のところ、対価があれば、仕事=我慢であっても、ネガティブに捉えることはないわけです。
「対価があるから我慢ができる。対価がないなら仕事ではない」
と、いうことではないでしょうか。
特に若い人に気を付けて欲しいと思うこと
我慢することを仕事にしないことは大事ですが、気を付けなくてはいけないのは、有名人と一般人の立ち位置の違いです。
現在、「多動力」がベストセラーとなっていて「我慢せずに楽しいことをたくさんやろうぜ」ってことで、考えた方自体はとても好きですが、有名人の特権的な部分はかなりあります。
小室哲哉が全盛期の頃、「僕が消しゴムをプロデュースしたら15万個は売れる」と言っていました。
同じように、「ホリエモンプロデュース消しゴム」が販売されたら一定数は売れるでしょう。
それは別に「ホリエモンふりかけ」とかでもいいわけですよ笑
多分どんなものでも一時的には売れます。
その場合、それが本業ではないですし、我慢することはありません。
好きなときに好きなように携われますし、有名人の単発企画ですから失敗することはほぼないですし、失敗しても痛手を負わないわけです。
ワクワクすることならどんどんやればいいわけです。
一生の仕事にする必要もなければ、そうしないほうが間違いなく良いわけですです。
しかし、一般人が「消しゴムをプロデュースして販売する」「ふりかけをブロデュースして販売する」ことは容易ではありません。
さらに一生の仕事と決めずにあれもこれもやるぜ!となれば至難の技です。
ホリエモンに憧れる人は多いですが、仕事=我慢ではないということをだけを鵜呑みして、やりたいこともないのに「我慢するのが嫌で仕事をやめた」とならぬように、特に若い人には気をつけてほしいものです。
・・・余談ですが、
「我慢」と「自慢」て不思議ですね。
「己慢」もあるのか?と思って調べたらありませんでした笑