『SOUNDS LIKE SHIT』を見て思うハイスタの魅力とすごさ

Hi-STANDARDのドキュメンタリー映画

先日、バルト9でハイスタの映画『SOUNDS LIKE SHIT』を見てきました。

本当はもっと早く行くつもりがなかなか行けずに時間が経ち、気づいたらここを逃したらもう映画館で見れない!というタイミングでした。

そのせいもあってか、映画館は超満員でびっくりでした。

 

傘太郎とハイスタンダード

このブログではミスチル大好きということ以外に伝わってないかと思いますが、高校の頃の文集に書いた好きなアーティストは

  • Hi-STANDARD
  • THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
  • THE MAD CAPSULE MARKETS
  • THE YELLOW MONKEY

という、ロックバンド少年でした。

ハイスタは今39歳の私にとってはど真ん中のスーパーバンドで、私が知ったのはGROWING UPより前なのでそこそこは早かったものの、知ったころにはもうチケットは取れないバンドでした。

 

グローイング・アップ

 

高校生同士のライブイベントなどに行けば、まず間違いなくハイスタのコピーバンドがいて、私もコピーバンドもやっていました。

今思うと高校生にはかなり難しかったはずなのですが、そんなことはお構いなしでした笑

映画は同級生の友達と観に行ったのですが、彼はおっかけのレベルでファンで、健と写真をとってもらったり、最初のAIR JAMに行ったり、CDもレコードもどちらも購入するほどでした。

私は今でも好きなアルバム10枚を選べと言われたら「GROWING UP」は入ります。

そんな私たちがみても「良すぎてびびった!」と口を合わせた映画でした。

私たちの後ろの席で泣いている人もいたくらいでした。

映画で知った真実

こういったドキュメンタリー映画はハイスタの友達などが「僕らから見ても当時のハイスタは~」というインタビューなどが入るものですが、SOUNDS LIKE SHITでは、一切そういったものがなく、3人個別のインタビューと昔の映像のみで構成されていました。

昔の映像は8mmビデオで画質が荒く、それもまた時代を感じさせるものでした。

ど真ん中世代の私たちでもこの映画で知ったことがいくつもありました。

 

  • バンド結成のきっかけはツネが車上生活をしていたときに、たまたま難波が通りがかり、「腹減っているならとんかつ屋でバイトしているからそこで飯食え」という縁だったこと
  • 健の鬱が深刻だったこと
  • ツネも再結成時に鬱が深刻だったこと
  • ツネはハイスタ休止後、音楽を辞めるつもりだったこと
  • ライブ中に難波がキレたことがあったこと
  • 流通まで自分たちでやろうとしていたこと
  • 知っているよりもはるかにFat Mikeがバンド活動に関わっていたこと

 

などがありました。

難波が精神的に追い込まれているというのは聞いたことがあり、それは映画でも紹介されていましたが、トリオバンドで、3人とも時期をずらして全員が鬱になっているってものすごいです。。

 

映画をみて思ったハイスタのすごさ

色々とすごいなと思うことがあったので挙げていきます。

3人が3人とも「商業ベース抜きで音楽に取り組んでいる」

通常、20代で頻繁にライブハウスに出演しているバンドって「売れたい」というところがモチベーションになります。

それに伴って、メンバーが会社のようになるんですね。

誰が制作、誰が営業・広報、誰が経理、誰が社長、という具合に。

で、

真剣に取り組む人と、怠ける人が出てきます。

もっと言えば「商業ベース抜きで音楽に取り組んでいる」「商業ベース有りきで音楽に取り組んでいる」という風に分かれていきます。

映画では健が「商業ベース有りきで音楽に取り組んでいる」という風に見えていましたが、私からすると3人とも「商業ベース抜きで音楽に取り組んでいる」感じがしました。

大体、バンドに1人くらいは「商業ベース有りきで音楽に取り組んでいる」人がいるものですが、ハイスタの場合、本当に全員が音楽とバンドをただただ好きなだけという異色のバンドのように見えました。

人気が出て仕方なく健が「商業ベース有りきで音楽に取り組んでいる」役をかってでたら精神が崩壊した、というわけです。

そういえば何年か前のインタビューで「もうお酒は長いこと1滴も飲んでいない」と言ってて驚きましたが、それも鬱病と関係があったのかなと思います。

3人が3人ともバンドとメンバーへの思い入れが強すぎる

会社でいえば「自社愛」は、社員の間で大きく違うものです。

だからこそ、愛が強い人は愛のない人を面白く思わなかったり軋轢が発生したりもしますが、愛がないからこそ冷静な第3者の視点が持てたりもします。

それはバンドでも同様です。

しかしハイスタの場合、全員が自社愛(バンド愛)がすごいです。

それで誰が社長かも決まってなかったらうまくいかないですし、やりたくもないのに社長にされたらその人(健)がつぶれるのも無理はありません。

そして、ここまでバンドとメンバーに対する思い入れが深いと、メンバーが他の人とバンド組んだりするのが嫌に思うのも自然です。

例えるなら彼女が他の男とデートしているようなものです(いや、ほんとに!)

  • 「おれといる時より楽しそうじゃんか」
  • 「おれはもう要らないってことか」

そうして病んでいく人(難波)の気持ちもわかります。

インディーズレーベル、フェスの礎をつくった

あの時代にインディーズで活動をして、野外フェスを自分達で実施したことは本当にすごいです。

スマホどころかホームページもろくになかったですから、調べるのも連絡とるのもあれものこれも大変で、まだフェスという言葉もなかった時代ですからね。

プロモーションなし

今なら個人でもSNSなどで世界に発信できますが、当時はネットが普及していませんでした。

売れたいならメジャーにいって会社に宣伝してもらう以外にない時代でした。

その中で、プロモーションはほとんどせず、ほぼ自分たちだけで「メイキング・ザ・ロード」でミリオンセラーバンドになったことはすごすぎることです。

 

メイキング・ザ・ロード

 

あとからモンパチも同様のことがありましたが、音楽ジャンルなども含めてハイスタがいなかったらモンパチの成功はなかったはずです。

その後のパンクバンドはみんなハイスタを1つの見本にしたことは間違いないです。

 

ファーストペンギンは血まみれになるなんて言いますが、ハイスタはまさにパンクのインディーズ界のファーストペンギンでした。

 

ファーストペンギンが「血だらけ」になる様子と、傷が治って一段と強いペンギンになった!

 

そんな映画でした。

 

個々のファンはいない

映画とは関係ないかもしれないですが、もう1つハイスタが特徴的なのは個々のメンバーのファンってあまりいないです。

ボーカルがいないということも関係がありますが、「ハイスタで誰のファン?」なんて会話はまずないです。

3人でハイスタで、好きなのはハイスタ、なんですよ。

ハイスタが好きな人は「メンバーの名前は知らない」「メンバーの名前を全員言える」のどちらかにきれいに分かれると思います。

これってかなり珍しいことです。

「○○のメンバーの名前は?」の○○をミスチル、エレカシ、サザン、RADWINPSなどに置き換えていただければわかりやすいかと思います。

 

ハイスタファン必見のDVD

再結成したときのDVDの話もします

 

Live at AIR JAM 2011 [DVD]

 

↑サイトを見ていただくとわかりますが、評価がおかしなことになっています笑

リリースされたころ、確か書き込みの100件くらいが全部★5つでした。

普通にみたらやらせにしか見えませんが、ファンがみたら文句なしに★5つです。

会場で泣いている人も映っていますが、ハイスタの歴史を知る人だったら超感動します。

 

映画を見ると「日本のためにまた集まった(再結成した)」というのは本当に純粋な気持ちだったことがよくわかります。

それが自惚れ、言い過ぎ、と感じことは普通ですし、はっきり言ってこんなことを本気で思ったり、本気で人前で言うのはどうかと思うところです。

でもハイスタメンバーは多分、これをマジで言っています。

悪く言えばイタイですが、それくらい純粋で真面目な人たちなんだと思います。

 

そして、この時、東北復興と合わせて「(鬱で苦しむ)ツネを助けたかった」というのも今回の映画で初めて知ったことでした。

映画を見た方はこちらのDVDも必見です。

 

最後に

私はハイスタのライブを見たことがないのでいつか観に行きたいです。

もし行く日があれば、高校生に戻ってダイブやモッシュをしたいです!

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