【楽曲解説】Mr.Children「クラスメイト ー歌詞編ー」

ひさしぶりにミスチル楽曲解説やります。
今回はクラスメイトです。
もう20年以上前の曲ですが、Mr.ChildrenのCD作品では最高売上の「Atomic Heart」に収録され、さらに「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」のカップリング曲としてシングルカットされ、さらに曲順は「innocent world」と「CROSS ROAD」に挟まれていますから、ファンの方で知らない人はいない曲でしょう。
歌詞も音楽も解説しますが、まずは歌詞からいきましょう!
Aメロ(1)
多忙な仕事あっての優雅な暮らし
なのにやり切れぬ oh sunday morning愛を語らいあって過ごしたいけれど
悩める事情にさいなまれ
優雅な生活は、優雅な休日という意味でしょうね。
日曜の休みを楽しみたいのに、彼女と仲良く楽しく過ごしたいのに、悩める事情(後述)にさいなまれて、やりきれない気持ちです。
Bメロ(1)
陽は傾き街は3時
少し遅い君とのランチ
後ろめたさで微かに笑顔が沈んじゃうのは
仕方がないけれど
3時とランチできれいに韻を踏んでますね。
楽しいランチのはずが、一緒にいる彼女は後ろめたさで冴えない表情をしています。
サビ(1)
3ヵ月前の再会から 思ってもないような急展開
今じゃもっと彼女に恋をして
もう振り出しに戻れるわけない
“ただのクラスメイト”
そう 呼びあえたあの頃は a long time ago
3か月前にクラスメイトと再会したのはどういう形か気になります。
街中でバッタリか、同窓会か。
同窓会からはじまる恋愛ってほんとにあるらしいですからね。
彼氏(夫?)がいる元クラスメイトと大人の関係になり、主人公は本当に好きになってしまったんですね。
Aメロ(2)
何度も話し合って決めたルールでも
このままじゃ彼女かわいそうさ
ルールは多分こんなことでしょう。
- 会うのは日曜昼過ぎから月曜朝まで
- 電話はしない
- 写真はとらない
- 送受信は即消去
- 彼氏についてあれこれ質問しない
- 会うときは知人がいないエリアで
※参考サイト※
https://matome.naver.jp/odai/2143288207907505001?page=1
そして、それを受けて二人の関係性が分かる手がかりが出てきます。
このままじゃ彼女かわいそうさ
です。
ここの解釈が人によってかなり分かれると思います。
- 主人公が優しく健気な男で「彼と僕の間で揺れる彼女がかわいそう」
- 主人公ではどうにもできない「彼女の事情がかわいそう」
おおよそこの2通りがありますが、私は後者になります。
二股している女の何がかわいそうなの?という感じです笑
二股されていてそれでもなお、好きでいる主人公の男性がかわいそうならわかりますが、二股している彼女は好きな方をどっちか選べばいいし、2人の男に求愛されているのが楽しいならそれでいいし、何にもかわいそうではないです笑
では、かわいそうな事情は何でしょう?
私なりの答えは「彼女も主人公が好きだけど、夫とは別れられない」ではないでしょうか。
「私だってあなたと一緒になりたいのよ!あなたと幸せになりたいのよ!でも簡単に離婚できないのよ!わかってよ!」
これなら「会いたい」「好きだ」を繰り返し言うことが「彼女を苦しめている」ことになり、うまくやっていくために設けたルールが「自由じゃないこと」を彼女に突きつけて「かわいそう」になるのではないのでしょうか。
Bメロ(2)
もう時期来る 君のBirthday
迷わず僕だけを選んで
ごめんよ いつも困らすばかりで
しばらくは彼の話はやめとこう
「誕生日だけは彼じゃなくて僕と過ごしてよ」と言いつつ「困らせてごめん」と思っています。
彼女と彼が婚姻関係がないなら「彼と別れて俺と一緒になってよ。誕生日は一緒に過ごそうよ」となるのに、そうならず「ごめん」となるのは、やはり、彼女は既婚者だからでしょう。
ちなみに、「しばらく別れの話をやめておこう」にも聞こえて、桜井さんさすが!と言いたいところですが、主人公は別れる気がないので、偶然だと思います。まぁ、それを踏まえても「桜井さん天才!」ですが笑
サビ(2)
君といれば他のどんなものも ささいな事に思えてくる
今までのキャリアもわかるけど
ねぇ 何もかも委ねてくれないか
寂し気な街の灯りが消えぬ間に I wanna hold you again
通常、女性に「キャリア」というときは「仕事のキャリア」を指します。
彼女は文字通り「キャリアウーマンの既婚者」ではないでしょうか。
それまでの歌詞も踏まえれば「仕事も夫も何もかも捨てて、俺と1から幸せになろうよ」のという主人公の願いを感じます。
更に深読みすれば「夫は仕事で知り合った人」で、離婚したら仕事がやりにくくなり、退職せざるを得ない、とも考えられます。
Aメロ(3)
明け方の歩道“”じゃね またね”と彼女
走り去るTAXIマンションのベランダに立って手を振る僕
たまらなく寂しい
※ほぼAメロと同じメロディーなので、Aメロとしました。
マンションのベランダで手を降る僕、ということはそのマンションは主人公が1人暮らしをしているマンションですね。
- 日曜昼に15時頃に集合
- 遅めのランチを食べる
- その後、主人公の家に行って泊まる
- 月曜の朝に彼女は仕事をしに出て行く
- 出ていくときはタクシーを使用
という行動がわかります。
彼女はタクシーを使用してます。
庶民リーマンの私では手の届かない乗り物です(言い過ぎ笑)
この辺りからも彼女が(それなりに稼いでいる)キャリアウーマンということが伺えます。(※単に歩いているところを人に見られたくないだけかもしれませんが)
Aメロ(4)
そして今日も街は動き出す
行き交う人並み
from Sunday night to Monday morning
そして最後に「また日常がくる」という表現がされます。
これは「渇いたkiss」にもある、彼女と一緒に過ごした楽しい一時と、1人で過ごす日常の対比ですね。
とりあえず僕はいつも通り 駆け足で地下鉄に乗り込む
対比により、さらにせつない物語に感じます。
こういう対比や俯瞰した目線でのちょっとしたフレーズが桜井さんはほんとに上手です。
歌詞まとめ
3か月前の同窓会でひさしぶりに出会った2人。
クラスメイトの彼女はキャリアウーマンになっていて、薬指に指輪をしていた。
久しぶりの再会を楽しんでいた僕らは、思いもよらぬ早さで大人の関係になり、すぐに恋に落ちた。
彼女は夫とうまくいっておらず、僕の方に気が向いていることはわかっていた。
でも簡単に離婚するわけにもいかず、彼女は苦しんでいた。
会いたい気持ちを抑えられない僕らは彼女の生活を壊さないように会うことにした。
そのためにルールをたくさん決めた。
「電話はしないよ」と言うと彼女は寂しそうな顔をした。
「もっと会える時間を作りたい」と言うと「私もそうしたいんだけどね・・」と言うだけだった。
彼女が僕の部屋を出ていくときはいつもたまらなく寂しくなる。
もう、何もかも捨てて僕のところに来てくれないか。
ただのクラスメイトにはもう戻れないよ。
・・・ちょっと小説風にまとめました。
※危うくすごい長文にするところでした笑
最後に「もう戻れないよ」にしたのは「振り出しに戻れるわけない」という曲中の歌詞と、スカパラの谷中敦さんの「I love you」の名和訳から使わせていただきました。
ボーカルについて
ミスチル桜井さんの歌声に感動する3つの理由にもかきましたが、桜井さんの低音域の色気のあるボーカルを堪能できる曲です。
高音で声を張る桜井さんも素敵ですが、低音域で気だるそうに歌う桜井さんの歌声も素敵です。
次は、クラスメイトの音楽分析です。