不機嫌なおじさんの半生は幸せそのもの?

ネットで「不機嫌なおじさんが増えてる」という記事を見ました。

なぜ、不機嫌なオジサンが増殖しているのか

確かに電車ででかい声出している人は大体おじさんです。

反対に電車でうるさい若者は昔より全然見なくなったように思います。

そういえばコンビニで若者がたむろ、とかもすっかり見ないですね。

おじさんがなぜ不機嫌になる原因と分析が書いてありますが私が思ったことを書きます。

嫉妬するのは私だけか?

記事では定年を迎えて孤独になった人が不機嫌なおじさんになる傾向があるとあり、そうなりやすい人の10ヶ条があります。

 

  1.  サラリーマン
  2. 転職経験がない
  3. 仕事人間である
  4. 出世欲がある
  5. 夢中になれる趣味があまりない
  6. ここ数年、新しい友達を作っていない
  7. 都会暮らし
  8. パパ友や近所との付き合いはあまりない
  9. やはり、男は「男らしく」あるべきだと思う
  10. 「肩書」「会社の名前」が自分のアイデンティティー

 

10ヶ条全部に当てはまる人なんてたくさんいます。

私の友人にも何人かいます。

でも彼らを思い浮かべる1以外に該当するものがない私からすると、ある意味では羨ましい限りです。

 

10ヶ条全部に当てはまるおじさんの半生

大学卒業してたくさんの新卒面接を経て大手企業に入社し、周りと同じように仕事をこなしました。

30近くになって後輩の女子社員と社内恋愛の末、結婚しました。その後2人の子宝に恵まれました。

4人の住みかとして都内に3500万のマンションを購入し、土日の外出用にクルマも買いました。

どちらももちろんローンですが、親が車をプレゼントしてくれて、マンションのローンは1000万円を負担してくれました。

仕事は忙しく、帰りはいつも遅く、土日は休みたくても「パパどこかつれてってよ」攻撃を受けて疲れた体に鞭打って家族サービスにも励みました。

寝不足は大変でしたが、それでも子供の笑顔は最高でした。

仕事が忙しく、パパ友を作れないまでも、運動会、学芸会などの学校行事、子供の勉強を時々は見てあげることもありました。

会社でも徐々に後輩が増えて責任ある仕事を任せてもらえるようになりました。

出張が入ることもしばしばでしたが、そんな日は同僚と夜な夜な飲んでストレス発散しました。

高校生になった子供は受験とサッカーに一生懸命で、ときどきは試合を見に行って成長をした姿に涙が溢れる日もありました。

仕事を辞めたいと思うことはありましたが、行動に移すことはありませんでした。

それだけ仕事も会社も仲間もなんだかんだで好きでしたし、他にやりたいことも特にありませんでした。

同様に離婚したいと思うほどの夫婦喧嘩を何度かしましたが、こちらも行動に移すほどではなく済みました。

定年の時には会社に送別会をしてもらい、家族からも花をプレゼントされました。

ローンも完済して、明日からはお金も時間もたくさんある生活のスタートです。

 

・・・10ヶ条にすべて当てはまる人の大半はこういう人生じゃないでしょうか。

誇張なしでほぼこの通りに過ごした人は大企業、公務員には多いでしょう。

でもさ、

 

この人生、全然幸せじゃん!

 

  • 概ね自分の希望通りに生きてこれた(希望そのものが特にないからとも言える)
  • 楽しいことは自動的に降ってくるシステムの中で生きてこれた
  • 孤独と退屈から無縁だった

 

定年後に孤独と退屈でしんどかったとしてもそれはもう仕方ないでしょ

それまでの幸運な人生に感謝するべきですよ。

名刺1枚で仕事もプライベートもうまくできて、「おれ○○の部長!かっこいい!」と思えたならそれはそれで素敵なことです。

 

仕上がる途中は幸せそのもの

婚活をしているころに、ある合コンにきた不機嫌なおじさんに仕上がる途中の(?)男性を思い出しました。

男性だけで集合すると、高いと一目でわかるYシャツとジーンズで、女子受けいい服装のつもりなんでしょうが、「白シャツ」ではなく「Yシャツ(ジーンズとは合わないやつ)」を着ていて、おしゃれに疎い私でも違和感を感じました。

私より年上ではありましたが、それを差し引いてもかなり上から喋るなぁという印象でした。

その後、女性が来て自己紹介の流れになりました。

みんなが名前、年齢、やっている仕事の内容、趣味などを話す中、その方の番になりました。

「早稲田大学卒業して、今は○○銀行に勤めている鈴木です」

へぇ~、という空気が流れたあと

「あれ?あと何か言うことある?」

それがその人の自己紹介でした。

名刺がアイデンティティーって素晴らしいです。

名前より前に学歴、職歴が出てくるわけです。

素晴らしい自己肯定感だと思います。

これ、冷やかしや小馬鹿にして言っているのではなくて、本当にいいなと思うんです。

世の中、知らない方が良いこともたくさんありますから。

多くの人はここまで自分に対して絶対的自信をもって生きてないですから。

多分、社長でも、一流アスリートでも、芸能人でも、もっと謙虚ですよ。

 

日本という国のすごさ

同時にこういう方を見てよく思うのは日本ていい国だなぁということ。

大人のいう通りに生きていれば、幸せが得られるんですよ。

「一昔前の話だろ」という方もいるでしょうが、現在も現実的にはそれは成り立っています。

いい学校に入り、いい会社に入り、結婚し、子供を持ち、家を持ち、車を持ち・・・

相応の努力は必須としても「流れに抗うような強力な意志」は不要です。

それで圧倒的な自己肯定感と幸せを得られるなんてほんとにすごいことだと思います。

 

人生最大の敵は孤独と退屈

とはいえ、それまで会社の○○、子供の○○で埋まっていた(降ってきていた)予定がなくなり、奥さんは楽しく外を出歩いているとなると、確かにきついでしょうね。

アイデンティティーの塊だった名刺もなくなり、孤独と退屈と承認欲求が膨らむばかりで、仕事をしている頃なら気にならなかった奥さんのあれこれ、社会のあれこれが目について「俺を誰だと思ってんだ」と噛みつかれたら周りはたまりません。

熟年離婚も増えますよ。そりゃ。

何十年も会社と子供の話しかしてなかったら夫婦で何を話せばいいかもわからない人もいるでしょうね。

ネガティブに考えていくとなかなか恐ろしいですが笑、それまでの人生は素晴らしくうまくいっていたんだからある程度は仕方ないと私は思います。

 

昔、新聞で見た投稿

またふと思い出したのがずいぶん前の新聞の読者投稿。

その方は独身で、仕事もプライベートも楽しくて結婚しないまま定年になりました。

すると、気軽に会える友達が全くいないことにその時に気づいたそうです。

毎日会っていた会社の仲間は会社を通じて会う仲間で、友達ではなかったと。

奥さんも子供もいませんからほんとの孤独です。

私は中学の頃にこの記事を読んで恐ろしいなぁと思いました。

結婚している人はまだマシですね。

 

楽しもうとする気持ち

私が思うに、こういう恵まれた人は楽しいことは降ってくるもので、自分で探すものではないと認識しがちです。

飲み会に誘われれば行くけど、自分から誘うことはないという人はかなりの確率でこのタイプだと思います。

でも、不機嫌なのはおじさんだけではありません。

不機嫌な若者もいます。

私も一時そうでした笑

次回はそんな体験を踏まえて不機嫌な若者について書きます。

Follow me!