水曜日のダウンタウンの隠れた放送事故!?

おぼん・こぼんの解散ドッキリが放送事故レベル

おぼん・こぼんへのどっきりが放送事故レベル、とニュースになりました。

『水曜日のダウンタウン』ドッキリがネット上で物議 こぼんが激怒し、ナイツが謝罪

何かとニュースになることが多い番組です笑

そして、生きていくために何ひとつ実りある情報がない番組ですが、なんとなく見てしまう魅力ある番組です笑

 

で、

 

これも放送事故じゃないのか?

 

というものがあったので、そのことについて書きます。

面白くないからカット!

2月20日(水)に「合いの手選手権」というものがやっていました。

かいつまんで説明すると、中森明菜のDESIREに創作の合いの手を入れて、どのチームが一番面白いか競い合う、というものでした。

余談ですが、私はDESIREの合いの手は「はー!どっこい!」しか知りませんでしたが、BOØWYのONLY YOUと同じく、地域や世代によって少々違いがあることを知りました。

 

で、

 

オカマチーム、ホストチーム、オタクチームの合計3チームが参加し、オカマチームが放送されていて他の2チームは思いきりカットされて、↓こちらが画面一杯に広がり終了。

 

 

 

私も笑いましたし、Twitterなどでも概ね好意的な感想が目立ちました。

2~3日してふと頭にその事が過ったときに、別の視点でその件を考えたらなかなかおぞましかったです。

カットされたのはホストチームとオタクチームでした。

ここではホストチームを取り上げます。

以下、私の想像です。

小節風にいきます。

 

ダウンタウンなうから出演オファーがきた!

テレビ出演の依頼がきたとき、スタッフ全員が目を輝かせた。

 

「マジかよ!」

「やばいじゃん!」

 

そんな声がオープン前の店内に響いた。

僕が入社してからの半年だけでもテレビの取材はたくさんあり、珍しいことでもなかった。

だが、今回は水曜日のダウンタウンというゴールデンタイムの番組で、しかも僕達の特技とも言える合いの手の面白さを3チームで競うというものだった。

当然、いつも取材を受けるNo.1や店長だけでなく、ホスト全員がテレビに出演することになる。

もちろん僕もだ。

「やべえ、そのことLINEで送りまくって今日の客との話のネタに使わねーと!」

その声が合図となり、ホスト全員が自分のお客に次々と呼び込みのLINEを打ち始めた。

 

話題の中心はダウンタウンなう

テレビ出演が決まってから店の雰囲気は変わった。

ホストは皆、来店したお客にその話を始め、「いつ放送されるのー?」と聞かれれば日時を伝えて「絶対俺ら優勝だから録画しとけよー」とおどけてみせた。

もちろん僕も次々と来るお客に次々と話をした。水曜日のダウンタウン、と聞くとお客の反応も良く、いつもよりも良い接客ができたと自分でも思った。

テレビ出演が決まった翌日に開かれたミーティングでは、以下の4点が決まった。

 

  1. 合いの手の歌詞は「元No.1ホストだったのに今では清掃員に成り下がった」トシさん(57歳)の実話をネタにする
  2. トシさんが歌詞を書き、店長が手直しする
  3. 振りは現在のNo.1が決めて、皆が自宅で練習する用の言わば「教材ビデオ」は新人の僕が作る
  4. 撮影日までの3日間はいつもより1時間早く出社して全体練習

 

それからというもの、トシさんと僕は自宅での時間をかなり割くことになり、寝不足になった。

しかし、取り組んでいるうちに僕はどんどんやる気が出てきた。

お客はもちろんだが、地元の友達や親にも出演することを知らせると、皆「絶対録画する」「かんばれよ」と言ってくれた。

親に至っては妹をはじめとする親戚に言い、さらには親戚がそれぞれの職場などでも話していたそうだ。

ホストをやっているということは内密にするものだと僕は勝手に思っていたから驚いた。

先輩ホストでも同じ状態になっている人が何人かいた。

 

「やべーよ。親まで楽しみにしちゃってるよ」

「1人だけできてなかった、何て言われねーよーにしないとなぁ。練習するよ!」

 

そう言ってみんな「教材ビデオ」を繰り返し見て、振りをちゃんと覚えてくれた。

歌詞を担当するトシさんは「俺の残りの人生で一番の見せ場になるだろうな」と言って何度も歌詞を書き直し、新人の僕にも「若い奴の視点でこれは面白いか?」と相談してくるほどの熱の入れようだった。

 

撮影当日。

みんないつも以上に「一番かっこいい自分」になろうとしていた。

ダイエットに取り組んだ先輩もいたし、僕を始め何人かは撮影前に普段よりも高い美容室へ行った。

撮影の直前はみんなで鏡の奪い合いになった。

 

やり遂げた充実感と放送日までのドキドキ

撮影後は全員で乾杯をした。

見事に一発でOKになったこと、今までで一番良い出来だったことに全員、興奮気味だった。

放送日まで、店内はその話でもちきりだった。

僕の親などは「3日後に放送よね?」と確認の電話が来るほどで、同様の連絡は地元の友達からもきた。

 

放送開始後、すぐに訪れた静寂

そして、放送当日。

店内には大きなスクリーンが用意された。

その日は22時からは水曜日のダウンタウンを見るというイベントになっていた。

前のコーナーが終わると「合いの手選手権」がはじまった。

 

「ついにはじまるよー!」

「みんな注目ーー!」

 

店内は最高潮の盛り上がりになった。

店内にいる全員がスクリーンに釘付けになった。

1チーム目のオカマチームの合いの手がはじまった。

先輩は隣のお客に「俺達のはもっと面白いしやばいよ!」と強気な発言をした。

サポートでお酒を作っていた僕も先輩と同じ気持ちだった。

そして、ついに僕らの番がきた。

僕は自分の鼓動が早くなるのを感じた。

連日、寝不足になりながら教材ビデオまで作り、取り組んだ「作品」だ。

みんなはどんなリアクションをするのだろう。

実家では親もリアルタイムでみているはずだ。

地元の友達も見てくれている。

僕は興奮しすぎて息があがっていた。

そしてついに僕達の放送がはじまった。

「きたーーー!」という大きな声があちこちから聞こえた。

その次の瞬間、放送が切り替わった。

 

 

え?

 

 

店内にたくさんのクエスチョンマークが浮かんだ。

何か緊急のニュースでもはじまったのかと思った次の瞬間、事態を飲み込んだ。

僕はアイストングを手にしたまま止まっていた。

この世のすべての音が消えていた。

 

 

この画面がでてもなお動けずにいた。

お客の1人が「なにこれ?どういうこと?」と聞いている声で初めて我にかえった。

気を取り直してスクリーンに目をやると、松ちゃんをはじめとするタレントが「カットされて良かった」とコメントした。

そして何事もなかったように次のコーナーになった。

 

放送後

そのあと僕はどんな接客をしたか良く覚えていない。

先輩ホスト達がそれでも努めて明るく「笑いに変える」ように頑張っていたのは覚えている。

 

帰宅して、1人で録画を見て「つまらないから放送されなかった」という事実をようやく受け止めた。

何日もかけて教材ビデオを作ったこと、トシさんの歌詞の相談にのったこと、全体練習をしたこと、家族や友達から激励のメールをもらったこと、当日にいつもより高い美容室に行ったこと、お客に放送されることを次々と話したこと。

それらが頭の中でグルグルと廻った。

スマホを見たら誰からも連絡はなかった。

親からもなかった。

僕はいてもたってもいられずトシさんにLINEをした。

しかし、2時間経っても既読にならないので、そのまま眠りについた。

どれほどの無駄な時間を費やし、どれほどの恥をかいたのかと思いながら──。

 

 

この手のことは芸人さんだけにしてほしい

軽い気持ちで書き始めたら長くなりました汗

要するに、この放送カットってかなり残酷なんですよ。

ここまで気合いを入れてはないでしょうけど、少なくとも歌詞を書く、振りをつける、おめかしする、は必須なわけで。

芸人さんならアリだけど、素人さんにはアウトですよ。。

以前にドッキリ番組で笑える時、笑えない時についてを書きましたが、まさしく「一般人が対価なく笑われる」のは可哀そうです。

特に今回はその対価、というより代償が大きいのでほんとにかわいそうです。

ただ、カットのされ具合が潔すぎて私も笑ってしまいました笑

視聴者が笑わせることに成功した故に炎上しませんでしたね。

 

とはいえ、、

 

小説内の主人公のような人がいないことを願うばかり。。

リアルに自分の事として想像すると震えますよ。。

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